しかし…

納得できない点は、異常気象を起こし生徒たちを閉じ込めた必然性。その危機感が戦闘にからんでこない。そして、女子だけの合宿に同行した校長、教頭なんともうらやま…いや、やめておこう。

いや、それよりも困ってしまったのがプリズムストーンと変身の連動を狙ったイルクーボ。セリフだけで説明されても、私でさえ唐突に感じた。こういうところこそ宇宙刑事の蒸着プロセスではないが映像で見せなければ視聴者特に子供には、あまりに不親切ではないだろうか。しかも番人は役たたずだし。(それにしても、光の園の男はみんな、あんな鼻声なのか。)
それに今、まさに四つのプリズムストーンが番人ごと(ほんと、なんのための番人だよ…)奪われようとしてるのに呆然と見ているだけのふたり。いつものブラックだったら最後まであきらめずに走るだろう。あの中にはキリヤが自分の身を省みず残していってくれた一個もあるんだぞ!この前の誓いはどうしてしまったんだホワイト!
私としては、ブラックもホワイトも万策尽きて立てないほどダメージを受けホワイトは変身も危険なくらいの重症を負う。で、次回はその重症をも省みないで決死の覚悟で再びイルクーボに挑む…。ぐらいの展開を望んでいたのだが贅沢か?合宿所に帰ったあとのつじつま合わせが大変だが。それ以上に今の子供にはハードすぎるかな。

以前から、気になっていたのだが、ドツクゾーン側がどういう危機的状況か映像から感じられないのはまずいのではないだろうか。
彼らもプリズムストーンを狙っている。分かっているのは一刻も早くそれを手にしないとジャアクキングもろともドツクゾーンは滅んでてしまうということ。しかしここまできて、その危機的状況が画面から伝わってこないのだ。すでに滅んでしまったも同然の光の園にとって、ドツクゾーンに渡ってしまったらさらにどうなるのか。地球が危ない?なにかそれすらも感じられない。異常気象がその影響と思ったがイルクーボのコントロールのようだし。

ウイズダムか…」このセリフから私は勝手に想像を繰り広げてしまった。イルクーボをはじめとした五人はかつて同じ光の園の住人で何らかの理由で反旗をひるがえした。イルクーボは番人と同じくプリズムストーンに深く関わっていた。それか、イルクーボは、はるかむかしから、番人とは長い戦いをつづけてきた。光の園とは過去にどんな因果関係があったのか、興味が尽きなかった。それが…情報!?(ヤツらにも情報参謀がいたのか?)
ドツクゾーン側の設定では曖昧な部分が多い。彼らにとっても大切なプリズムストーンをなぜ身につけ戦いにのぞむのか?あれが、なければ体に異常をきたすのか?自らそれを手放したキリヤの描写からそうではなさそうだ。(それとも、あのあと…そもそもキリヤにしても本当に死んでしまったのか?)

これは、ドツク・ゾーン側の設定をしっかり作らないで作品自体が見切り発車してしまったせいではないだろうか?ただ、単に記号的に悪とした置いただけではと、邪推したくなる。
ふたりの女の子が関係を築きながら友人になっていく、というドラマでその敵側一人一人が大義名分よりも個人の主張をぶつけてくるのは、理にかなったことだと思っていた。しかし、悪側にあいまいな部分が多いためそうならざるをえなかった。節目に来て、一気に中空部分が露呈してしまったのか?

でも、正直そんなものは、私の考えすぎで、なるほど!と、納得できる展開を実は期待してるのが本音である。



注1…中野昭慶、特撮監督。円谷英二亡き後東宝特撮を支えた一人。日本沈没や、ゴジラシリーズが代表的なところ。最近ではTVチャンピオンで審査員としてコメントしたりしている。CGのない時代コントロールの難しい水、煙、爆発(!)を巧みに劇的に演出する手腕は今だからこそ見る価値がある。同様の干上がる湖の演出は「ゴジラ対メガロ」冒頭で見られる。ダムの崩壊も必見。それ以外は好みの分かれる映画である。
注2…ロズウェル、NHKで放送された海外ドラマ。地球人の高校生として転生してきた宇宙人三人の物語。SF版ビバリーヒルズ高校白書といった趣。彼らは超能力で、傷を治し、ものを破壊したり作り出す能力を持つ。