プリキュアンへの道

       プリキュアンへの道  〜第一回 振り向けば横須賀〜


ふたりはプリキュア」は本来の視聴者である幼年層のみならず様々な年代、ジャンルのファンに熱く支持されている。中にはアニメを見なくなった人、見ていなかった人まで巻き込みそのパワーはとどまるところを知らない。
なぜ、こうも様々な人々に支持されるのか。このことは色々と興味深いものがある。だが、その理由はどうにでも考えられそうだし、様々な意見が出たとして全てが正解でまとまってしまうような気がする。
プリキュアン(完全に定着しているようだが)諸氏のHPはどれも個性的で面白く本当に飽きないのだが、はまったきっかけとなると意外にはっきり書いてない場合が多い。いや、まったく悪いことではないのだが、私は一番興味があるところなので気になってしまうのだ。オフ会でも放送中の内容が中心で、はまったきっかけとなると話題に出にくい。
ならば、私の場合を記しておこう、そう思った。私は初代ウルトラマンが本放送された年に生を受け、第二次怪獣ブーム、アニメブーム、SFブーム、ゴジラ復活ブーム等を通ってきた人間である。悲しむべきか喜ぶべきか今だひとりものである。まあ、一番好きなのは特撮もので、ヒーローや怪獣も好きなのだが特に好きなのはSFメカが活躍するもの。最近では原点をもう一度見直そうと円谷作品、サンダーバード等のアンダーソン作品を中心に楽しんでいる。アニメも見てはいたのだがここ数年は激減。本数は片手で足りるほどである。その代わり海外ドラマの本数が多くなった。日本のドラマは気になるのがあったらたまに…という程度。好きな女優である木内晶子が出演するものなら目を通すようにしている。好きな音楽は日本のハード・ロック。好きなバンドのライヴにはなるべく足を運ぶようにしている。
ここ数年はコミケにも行かなくなり、行く大きなイベントはジャパンハードロックサミットぐらいで、ごくごく普通にテレビ、ビデオ、劇場で好きな作品を楽しみ、たまにホビーショップで好きなものを買い、好きな音楽を楽しむ平穏な日々をすごしていた。
テレビの特撮ヒーローものは見ていたので「ふたりはプリキュア」というアニメがやっているのは知っていた。それにあろうことか前番組の「明日のナージャ」は最終回だけ見ているのである。徹夜でなんかしてて、そのままリアルタイムで特撮ものを見た流れなけだったけど。このとき予告編も見ているはずななのだがまったく印象に残っていない。
その後はケンカしながら戦ってる場面や玩具売り場のテレビで、カブキロックス氏神一番のような敵と戦っているのはなんとなくながめたことはある。なんだか、変身シーンは気合が入ってるなあ、ぐらいの印象はあった。ま、一回ぐらいは目を通しとこうかと思いつつズルズル先延ばしになるのだが。
ある日、いろいろなことで行き詰っていた私は、京浜急行の横須賀中央に向かっていた。なぜ、横須賀中央だったのだろうか?なぜか横須賀中央だったのである。向かう途中車内で例のパスネットのつり広告も見ている。グランセイザーと並んだ広告のふたりにその後の自分が運命を握られているとは、そのとき夢にも思わなかったのだが。
横須賀中央で下車した私はあてもなく街中をぶらつき、とあるデパートの玩具売り場に立ち寄よった。ジェットモグラもラジコンとは時代も変わったなあ、でも置くとこもないし第一金もねえやと思いつつブレイドの玩具も眺めつつ店のテレビを見ると、あのアニメを流していた。口から人の顔が覗く敵は反射的に仮面ノリダーの怪人を連想させた。ふたりの美少女戦士が戦ってるのだが鮫やシャチが好きな私は内心「鮫をいじめるなあ!」と思ったのだが、ふらふらと男の子が紛れこんできた。黒い方の反応を見ると弟らしい。その弟がなんか鮫にやられた!黒い方大激怒!涙を流しながら蹴り!蹴り!蹴り!蹴り!蹴り!蹴り!蹴り!蹴り!蹴り!蹴り!蹴り!蹴り!、ケリー・テイラー!!唖然とした。最近のアニメは韓国外注が多いため、単調な線にも慣れないとなあとかへたれな作画も妥協せんとなあとか思っていた矢先にである。なんだろう、このパワーは!もしかしたら大変なアニメを見逃してているのかもしれない!そう思った。また、そのテレビがワイドテレビで無理やり横に引き伸ばした画面で妙な効果を出していたせいもあったかもしれないが。変身をといて、「姉ちゃんたちが心配だったんだ」の言葉に涙をながしながら抱きしめる姉。ジーンときたなあ。何度も似たような場面は見てきているはずなのに。
その後他のデパートに戻り、購入を迷っていたトランスフォーマー二十周年、ミクロマン三十周年記念セットのグランドコンボイとキッカーのセットを購入し帰路についた。あの強烈な蹴りに後押しされたせいかもしれない。

(この、内容を読んで現在の私を知る人は矛盾を感じるかもしれませんが、このあとだ〜いど〜んで〜ん返し!がまっていたのです。
今回、当時の記憶をより鮮明に呼び起こすためTaimaiさんのマニラロープを参考にさせていただきましたが、内容に食い違いが…。私の記憶には黄○町はないのですが思い違いでしょうか?)